四苦八苦(しくはっく)

眞華院事務局

2008年04月01日 00:00

人は困難な事や大変な目にあったときに、よく「四苦八苦した」と言います。
この何か難儀したときに使われる「四苦八苦」は、「人生は苦である」という仏教すなわち、お釈迦様の基本的な教えです。この苦からの根本的な解放を求め悟りを得たのがお釈迦さまです。

お釈迦様は、実にこの世(娑婆世界)は苦るしみの海だと言っておられます。まづはそのことをしっかりと自分の心に留め置くことが、これからの人生を意義有るものにすることが出来るというのです。

まず四苦とは、生・老・病・死(しょうろうびょうし)の四つの苦るしみのことです。生まれて老いて病み死んでいく人間の人生全体を苦と認識することです。では、なぜそれらが苦るしみなのでしょうか。それは、例えば、こんなつらい人生なら生まれて来たくなかった、とか、いつまでも若くありたいと望んでもやがては年老いていきます。長生きしたいと願っても、寿命がきたら死ななければならない。実はこれが私たち人間の本当の姿だということです。 良いこと楽しいことがずっと続けばいいなと思ってもそうはいかない、自分の思う様にはならないと言うことです。

八苦は、先の四苦と、愛別離苦(あいべつりく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、求不得苦(ぐふとくく)、五陰盛苦(ごおんじょうく)の四苦を合わせたものです。例えば、愛別離苦とは愛する人と別れなければならない苦るしみ、怨憎会苦とは嫌な人と毎日顔を会わせなければならない苦るしみ。求不得苦は、欲しいものが求めても得られないくるしみ、五陰盛苦とは体全体の感覚から感じるものによる欲や煩悩が盛んになるくるしみの事です。

私たち人間が生きて行くということは、実はこのような苦悩する人生を生きることなのです。しかし、仏教はその苦悩から逃げるのではなく、その苦悩をしっかり見据え苦は苦と悟り、乗り越えることで本当の人生が見えてくることを教えています。

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