日蓮宗の荒行堂にて

(住職 第参行帰山式)
正中山祈祷根本道場『荒行堂』~日蓮宗加行所にて~
正式には日蓮宗加行所(けぎょうしょ)ともうします。この大荒行堂に入行できる僧侶は信心堅固、身体強健であることはもちろんのこと厳格な審査を通り、10月31日午前10時からの「修法先師報恩講」に剃髪、白木綿単衣に清浄法衣着用し出席するところから始まる。午後から精密な身体検査がおこなわれますが、これは100日間の錬行は精神的激動はいうもがな肉体的にたいへんな負担をしいられるための要心であり、関門でもあります。
医師の加行大丈夫という保証をえましたもののみが、伝師上人の前にでて鬼子母尊神様に「修行中は行堂の清規にしたがって違背いたしません」と誓願もうしあげ、はじめて正式な入行が許されます。

(於 日蓮宗大荒行堂 第五行成満)
日蓮宗の大荒行は、とても過酷な修行で行暁天3時の水行に始まり、6時、9時、正午、3時、6時、11時の一日7回の水行と、朝5時夕5時一日2回の白粥をすすり、斎戒沐浴読経三昧の苦修練行であります。宗祖日蓮大聖人の御聖訓「我が門家は夜は眠りを断ち昼は暇(いとま)を止めて之を案ぜよ、一生むなしく過ごして万歳悔ゆる事なかれ」を身に体し、昼夜常精進、死を覚悟しての行であります。
初加行僧は初行僧とよばれ、二回目再行僧以降は先輩行僧で、再行僧、参行僧、再々行僧、五行僧となり、五回目で一応満行となるが、さらに修法の研究を重ねたい人は参籠の制度もあります。
荒行とは、自己の心身を責め、鍛え、これに耐え抜くことが苦修練行といわれ、それが荒行と称される。
行に挑む修行僧は、自己の三世(過去・現在・未来)にわたる罪障消滅を願い、その練行に耐えることにより、妙法宣布にあたっての忍難受苦の強い精神を養い、また、苦行による宗教的な体験は信心をより一層高めることになり、増益された「信」は修法加持の強い原動力となるのであります。